1. 保育園の「点数(指数)」とは?
保育園の「点数(点数)」とは、家庭ごとの「保育の必要性」を数値化したものです。 認可保育園では、申し込み順ではなく、この点数が高い家庭から優先的に入園が決まります。 点数は主に、
- 保護者の就労状況
- 勤務時間
- 家庭の事情(兄弟在園・ひとり親など)
をもとに計算されます。
なぜ保育園入園に「点数」が必要なの?
認可保育園は定員に限りがあるため、自治体では限られた枠を公平に振り分ける必要があります。
そのため、「どの家庭がより保育を必要としているか」を判断する基準として、点数制度が導入されています。
点数が高いほど「保育の必要性」が高いと判断される
この点数制度の考え方は、「保育の必要性がより高い家庭を優先する」という点にあります。
具体的には、以下の2つの点数で決まります
- 基準点数: 保護者がフルタイムで働いているか、あるいは病気や介護などの事情があるかといった「基本情報」
- 調整点数: 兄弟が既に在園しているか、ひとり親世帯であるかといった「個別の家庭事情」
点数が高ければ高いほど、自治体から「この家庭は外で子どもを預けないと生活や仕事が立ち行かない(=保育の必要性が高い)」と認められたことになります
なお、認可外保育園では、自治体を介した点数計算は行われません。園に直接申し込みを行い、園との契約によって入園が決まるため、点数に縛られずに園を選ぶことができます。
2. 点数を構成する3つの区分:基準・調整・優先順位
認可保育園の選考に使われる点数は、大きく分けて「基準点数」「調整点数」「優先順位」の3つです。
※ 自治体によって細かな配点は異なりますが、この3つの区分は全国の自治体で共通して使われている仕組みです。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
基準点数:保護者の状況を数値化した「ベース点」
基準点数とは、保護者が「なぜ保育を必要としているか」という基本情報をポイント化したものです。
- 主な項目: 就労(フルタイム・パート・内職)、疾病・障害、出産、家族の介護・看護、就学、求職活動など。
- ポイント: 一般的に、外勤のフルタイム勤務であるほど点数が高くなる傾向にあります。
福岡市の場合、1か月あたりの勤務時間に応じて60点から150点の間で判定されます,。ここで注意したいのは、世帯の点数は夫婦の合算ではなく、「点数の低い方の親」の点数が世帯の基準点数になるという点です。
調整点数:家庭ごとの個別事情による「加点」
基準点数だけでは測れない、家庭ごとの細かな事情を考慮して点数を増減させるのが調整点数です。
加点(プラス)される例:
- 希望する園に兄弟が既に在園している
- ひとり親世帯である
- 産後・育児休業明け
特に、認可外保育園などでの保育実績は、多くの自治体で有力な加点要素として認められています。
参考元(福岡市保育施設等利用調整基準表 2025/01/11):https://kodomo.city.fukuoka.lg.jp/wp-content/uploads/2025/01/11.R7kijyunhyou.pdf
優先順位:合計点が同点になった場合の「決定打」
「基準点数 + 調整点数」の合計点が全く同じ世帯が並んだ場合、どちらを優先して入園させるかを決めるための項目です。自治体によっては詳細が公表されないこともありますが、一般的には以下のような項目が考慮されます。
福岡市の場合だと以下の表のようになります。
優先順位 | 項目 |
|---|---|
1 | 施設の希望順位の高い世帯 |
2 | 基本点数で付与した保育の必要性の事由が次に定める順位を優先 ①災害復旧 ②その他 ③虐待・DV ④保護者の疾病、障がい ⑤就労 等 |
3 | 養育している未就学児の子どもの人数が多い世帯 |
4 | 世帯の合計所得金額等により判断 |

3. 【福岡市版】知っておくべき点数計算の独自ルール
保活の基準は自治体ごとに大きく異なりますが、福岡市には独自の計算ルールがいくつか存在します。これを正しく理解していないと、「思っていたより点数が低かった」という事態になりかねません。福岡市での保活を有利に進めるために、押さえておきたい4つのポイントを解説します。
1か月間の勤務時間で決まる「150点満点」の基本点数
福岡市では、基準点数(基本点数)が「1か月あたりの合計勤務時間」で判定される点にあります。
- 150点(最高点): 月160時間以上の勤務
- 140点: 月140時間以上160時間未満
- 130点: 月120時間以上140時間未満 このように、勤務時間が20時間変わるごとに10点刻みで点数が変動します。
- 自分の働き方がどの区分に該当するか、事前に就労証明書の記載内容を確認しておくことが非常に重要です。
注意!世帯点数は「父母の低い方の点数」が採用される
福岡市の保活で最も多い勘違いの一つが「夫婦の点数を合算する」というものです。
実際には、「父母それぞれの点数のうち、低い方の点数」が世帯の基本点数として採用されます,。例えば、父親がフルタイム(150点)でも、母親がパートタイム(110点)であれば、世帯の基本点数は低い方の「110点」となります,。つまり、「世帯全体の点数は、勤務時間の短い親の状況を基準にする」のが福岡市のルールです。
「育休延長許容」を選択すると点数が0点になる仕組み
福岡市独自の運用として、利用申込書の「育児休業からの復職の意思確認」欄で、「保留となった場合に育休延長を許容する」という項目を選択すると、基本点数が0点になります。
これは、育休給付金の延長のために「入所不承諾通知」が必要な家庭に向けた仕組みで、事実上の「不承諾通知狙い」の意思表示として扱われます。
この選択をすると、内定が出る可能性は極めて低くなるため、本気で入園を目指す方は絶対にチェックを入れないよう注意が必要です。
このように、認可保育園は厳格な点数制度によって選考が行われますが、一方で、独自の教育方針を持つ認可外保育園であれば、こうした点数計算に悩まされることなく、園と直接契約して入園を決めることができます。
もし点数が足りず認可園への入園が難しいと感じる場合は、認可外保育園を「点数に縛られない前向きな選択肢」として検討するのも一つの手です
4. まとめ:点数把握と広い視野で納得のいく園選びを
保活を成功させる鍵は、現状を正しく把握し、戦略的に動くことにあります。 最後に、納得のいく園選びのために大切なポイントを整理しましょう。
まずは自分の点数を正しく把握しよう
保活の第一歩は、自分たちが「何点になるのか」を正確に知ることです。
- 基準をチェック: 福岡市の「利用調整基準表」を確認し、父母それぞれの就労時間から計算してみましょう。
- 福岡市ルールの再確認: 夫婦合算ではなく「低い方の親の点数」が世帯点数になること、時短勤務は実労働時間で判定されることを忘れないでください。
- 就労証明書の準備: 最終的な点数は、会社が記入する「就労証明書」で決まります。依頼前に、自分の勤務時間が点数の境界線(160/140/120時間など)のどこに位置するかを把握しておくことが大切です。
「認可」も「認可外」もお子様に最適な環境を基準に
「認可保育園に入ること」だけが保活のゴールではありません。
- 認可外保育園を前向きな選択肢に: 認可外保育園は点数に関わらず園と直接契約できるため、自治体の選考結果を待たずに早めに復職を決められるメリットがあります。
- 教育内容やサービスで選ぶ: 独自の教育カリキュラムや、夜間・延長保育などの柔軟なサービスなど、「あえて認可外を選んでいる」家庭も多くいます。
- 将来の加点にもつながる: 認可外保育園での利用実績は、将来的に認可園を希望した際の強力な加点要素や優先順位アップの武器になります。
福岡市の公式ツール「空きマップ」や窓口の活用術
情報の精度を高めるために、自治体が提供するツールや窓口を最大限に活用しましょう。
- 「空きマップ」: 福岡市公式の「ふくおか保育所案内板〈空きマップ〉」は、市内全施設の空き状況を地図上で確認できる非常に便利なツールです。
- 区の子育て支援課へ相談: 空きマップで見えない詳細な状況や、年度途中の入所相談などは、各区の子育て支援課に直接問い合わせてみましょう。窓口で説明を受けることで、より正確な情報を得ることができます。
保活は不安がつきものですが、点数という仕組みを理解し、広い視野で選択肢を持つことで、お子様とご家庭にとって最適な場所が見つかる可能性は確実に広がります。
まずは情報収集から、一歩ずつ進めていきましょう!